ターゲットを狭めるとお客さまは減る? 答えはNO! 逆です!

「担当ブランド(商品)のターゲットは?」
初めてお会いした時にそうお尋ねすると、こんな答えが返ってきます。

・「20~30代女性です!」(妙にキッパリ)
・「10代後半~20代の〇〇したい女性です」(少し狭まっています)
・「20代~40代女性かなぁ~? あ、50代も入ってるなぁ」(ほとんど…)

たしかに万人が日常使うものはそうかもしれませんが…
その中でも、特に誰に買ってもらいたいかを定めていただきたいのです、私は。

なぜなら、
ターゲットが定まっていないと、どうやって売ればいいのか決められないからです。

目次

ターゲットをより詳細に人物像化=ペルソナは見込み客を読み解くカギ

ざくっとしたターゲットをより詳細に設定したユーザー像のことをペルソナといいます。
マーケティングの世界では「ペルソナを作ろう」とよくいわれているので、一度はお聞きになったことがあるでしょう。

ペルソナだろうが、詳細なターゲットだろうが、名称はどうでもいいです(笑)。
とにかく「どんなお客さまに売りたいのか」を明確にしていただく必要があるのです。

もしどんなお客さまに売るのか決まっていなければ、お客さまがどこにいるのかわかりません。
何に興味があるのかもわかりません。
生活習慣もわかりません。
どんなものに惹かれるのかも当然わかりません。
これでは売りようがありません。。

※ペルソナの作り方についてここでは触れませんが、
ご希望があればお問い合わせください。勉強会をしましょう!

ターゲットを詳細に深堀すると見えてくるもの ~事例~

わかりやすい例を上げてみますね。

通常、弊社にサポート依頼がある時は下記2つのパターンのどちらかになります。
1.商品はすでにあり、その商品を売れるようにしたい 
  →売れそうなターゲットを導き出す
2.既存のターゲットはほぼ決まっていて、そのターゲットに売れる商品を開発したい
  →ターゲットに売れる商品を導き出す

こちらのケースは1、2どちらともいえる案件です。
あるメガバンクの新規店舗オープンのコンサルティング事例になります。
女性のお客さまを増やしたい、ということでご依頼いただきました。

おおよそのターゲットは「40~50代女性 不労所得〇千万」です。
これだけでは打つべき手がわかるはずもなくて。
女性マーケティングだから未来を見せる?
そんなものでは集客できませんよね。

そこでまず仮説を立て、その対象となりそうな方々をリクルーティングし、デプスインタビューを行いました。

「30~40代既婚女性、専業主婦。世帯に不労所得〇千万/年。子どもは小学校から私立に行かせており、下の子はまだ小さい。夫はエリートサラリーマンもしくは経営者。親御さんとは近所に住み、とても仲が良い。よく3世代で出かける。(オープンする)店舗から半径〇km圏内に暮らす、幸せを絵にかいたような富裕層。」

一見すればこんなイメージで、いわゆる属性としては完全に同じ方々なのですが、実際のヒアリングで2つのタイプに明確に分かれました。

遺産相続時の相続税について、
1つは親が亡くなった時に土地を売却してそれで支払えばよいから、全然気にしていないタイプ。
もう1つは親が亡くなった時に支払わなくてはいけない相続税は今からコツコツ貯めて準備しているタイプ。

この違い、何だかわかりますか?

性格でしょうか?
前者はよくいえば天真爛漫、悪くいうと行き当たりばったりで、後者は几帳面で計画的。

いえいえ。
ここには育った環境などの成育歴、出自の違いが隠れているのです。

同じターゲット女性でもこんなに違う「気持ち・感情」

ターゲット女性の奥底にある気持ちを深く読み解いてみましょう。

(「どちらも現在は不労所得〇千万」を頭において読んでくださいね)
前者は生まれた時からその環境にいたため、土地はもともとあったもの、なので土地への執着は全くない。
現在の家計もきちんと独立していて十二分に裕福だし、お金への執着もない。
だから売って払えるのだから何も問題はない、と考えています。

一方、後者はごく一般的な家庭で育ち、不労所得とも無縁。
結婚して今の家庭に入り、妻という立場やいずれ相続で手に入れることになる土地、お金を必死で守っている。
(旦那さまは前者の考え方でしょう。もはや女性か男性かという問題だけではないのです) 
とても裕福なのに自分から土地を手放すなんてことは許されない(と思っている)。
少しでも損をする(ように見える)ことに激しい抵抗があります。

真逆の考え方です。
従って、商品を購入する時に誰のお薦めなら聞き入れるのか、どんなものなら買うのかなど、すべての思考や感情、お金の使い方が異なります。

それぞれの心のベースに響く施策なら、売上げ・集客は必ず変わる

そこで弊社がご提案した内容には、同じ富裕層であっても、それぞれのタイプのお客さまたちが価値を感じてご来店いただける、
それぞれの心に響く要素をどちらも盛り込むようにしました。

結果、広告は一切打たなかったにも関わらず、オープン当日は溢れんばかりのお客さまで2時間以上の待ち時間となりました。
オープン当日に1000万、翌日も来店でさらに1000万の預金! 痺れる~!!(笑)
継続利用は当然目指していたので対策済みでしたが、さすがに連日のご利用は想定外でした。

ここでもしターゲットを「40~50代の既婚、不労所得〇千万の女性」としていたら、どうだったでしょう。
ふわっとしたターゲットになんとなく響いているような、いないような…。
それともどちらか一方の施策で突っ走り、もう一方のお客さまは取りこぼす結果になってしまったのではないでしょうか。
(※商品によっては「どちらかのターゲットは意図的に外す」ということもあります)

このようにターゲットは狭めれば狭めるほど、その考え方や行動が深く理解でき、より最適なお客さまにリーチすることができるのです。

「女性のお客さまには〇〇しよう」「女性心理は〇〇だから△△」のように、「女性」をひとくくりにして決めつけても、
効果は非常に薄いことがおわかりいただけると思います。
必要なのはあなたのお客さまを深く読み解くことです。

また策定した詳細なターゲットは社内共有しておくことでイメージが明確になり、部署ごとですれ違うことなく、
ブランディングにもマーケティングにも大いに効果を発揮します。

私がターゲットを詳細に決めていただきたい理由、ご理解いただけたでしょうか。

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