断捨離ブームの昨今、あなたも捨てた経験があるのではないでしょうか。
洗面台に溜まったパウチサンプルの束!
なぜそのサンプルたちは悲しいかな、使われることなく捨てられることになってしまったのでしょう?
今日はサンプル(試供品)について、お話します。
サンプルの目的とは?
そもそもサンプルとは何のためにあるのか、その意味を考えてみたことはありますか?
「カンタンだよ!商品を試すためだろう?」
そう、サンプルの目的は主に、お客さまが商品を試す機会を提供することにありますが、
この「サンプルを提供する」というアプローチが持つ、
多くのメリットについてまずはまとめてみたいと思います。
- 体験の提供
購入前に商品を実際に体験することができます。(ほぼほぼ無料で)
特に肌に直接使用する化粧品の場合、テクスチャーや色味を試すことはもちろん、その前に、
肌質に合うかどうか、つまり赤くなったり被れることがないかどうかを確認する重要な目的が存在します。
- 信頼の構築
サンプルを通じて商品の品質を証明することで、お客さまとの信頼関係を築き上げることができます。
実際に商品の効果を体感できれば、お客さまは不安なく、より安心して本商品を購入することができます。
- マーケティング効果
新しい商品やブランドを市場に紹介する、認知してもらう効果です。
サンプルを配布することで、商品を知らせ、興味を引き、話題を生み出すことができます。
- フィードバックの収集
サンプルを通じてお客さまから直接フィードバックを得ることもできます。
これにより、商品の改善点や市場のニーズを理解することができます。
このようにサンプルを配布する目的は、お客さまに商品を直接体験してもらい、商品への信頼を築き、
市場への導入を促進することにあります。
お客さまにとってもメーカーにとっても多くの利点があるということです。
では、これらのメリット、効果的に引き出すことができているでしょうか?
サンプルの効果的な活用方法
では、目的が明確になった上で、そのメリットを最大限活かす活用方法について考えてみましょう。
ゴミとして捨てられていないか心配です・笑。
1.ターゲットに合わせたサンプルの選定
まず大切なのは、ターゲットとなる方の好みやニーズに応じて適切な商品を選ぶことです。
百貨店などをはじめ各店舗ではお客さまが目の前にいるので、
たとえば化粧品の場合、この人は乾燥気味な肌だな、とか、この人は美白製品を探しているな、などわかりやすいですし、
「○○ないですか?」と尋ねられることもあるので、比較的セレクトしやすいと思われます。
ここで重要な点にお気づきですか?
だれかれかまわず配布するのではない、ということです。
このだれかれかまわずの配布が、断捨離でゴミ箱にいく運命を作っています。
興味のないものは使わず、とりあえず取っておく→溜まる→結局やっぱり使わない→まとめて捨てる ということになるのです。
オンラインショップの場合は、購入履歴から、または今購入された商品との相性(一緒に使うと効果的な商品)などから同梱することになります。
オンライン、オフラインともに、ここでもいつものごとく、ターゲット、対象者というものが重要になってくる、ということです。
2. サンプルの使い方を明確に伝える
サンプルをお渡しする際には、その使い方や効果を明確に伝えることが重要です。
たとえばスキンケアの化粧品だとすると
「A商品のあとに、A商品が乾いてからこのサンプルを1袋全量、手のひらに取り・・・・・保湿はもちろん、肌にツヤを与えます」
のように、です。
最近は欲しいサンプルをお客さま自身で選べるようになっているオンラインショップも増え、いいなと思うのですが、
残念ながら非常にもったいなく思う事実があります。
それは・・・
プレゼントするサンプル(パウチがほとんどですが)だけがPP袋に入った状態で、
ぺろ~んと、購入した商品と一緒に入って届くことです。
「サンプルの使い方を明確に伝えることが重要」とお伝えした時、
「そんなことあたりまえでしょ」と思いませんでしたか?
でも、そのあたりまえのことができていないのです。
サンプル単体では、情報が伝えきれません。
へたをすると商品が到着した頃には、何のサンプルを頼んだのかさえ覚えていないので、
折角のサンプルを粗雑に扱うことになってしまいます。
オンラインショップでも可能な、伝える方法について、次の3.の中で具体的にあげますね。
3. 商品の魅力を伝える
上記の例でいうなら、お送りするサンプルが「何であり、使う順序はどうで、どういうことを体感してほしいと思っているのか、
他のお客さまの口コミはこうで、本商品はいくらで」等々、伝えてこそ、そのサンプルが活きてくるのです!
「サンプルは、リーフレットなり、チラシなり、説明するアイテムとセットでお渡しする」とお考え下さい。
これが確実に伝える方法です。
「サンプル同梱物」とでも呼びましょうか。
これはオンラインショップに限りません。
店舗でもイベントでも、すべて同じです。
なぜなら、そのサンプルは必ず自宅に帰った後で使用することになるからです。
使用するその時に、配布の時に聞いたことは忘れている可能性だってあります。
さらにそのサンプル同梱物に、アドバイスや特別なテクニックなどの付加価値を追加すれば、
よりその商品を使って得ることのできる、その先のベネフィットまで理解しやすくなります。
そうすれば感情的にもどんどん使ってみたくなるのです。
販促物として、商品の魅力をとことん伝えきることが、サンプルの使用率を上げ、本商品を購入する確率を高めていくことになります。
4. サンプルの効果を追跡する
サンプル配布後は、お客さまの反応やフィードバックをできるかぎり追跡します。
大手メーカーがサンプルを大量にまく場合など、
サンプルから本商品購入へつながった数を正確にデータとして得るのは難しい場合もあるでしょう。
それでも、たとえばさきほどのリーフレットなどに販促番号を振っておき、サイトでその番号を入れられるようにしておけば、
少なからず、すべてではないにしろ、その販促物がお客さまの興味を得ることができたかどうかわかります。
どこでリーチできたのかもわかります。
そして、これらのデータを商品の改善やマーケティング戦略の最適化に役立てていくのです。
サンプルの配布は、いわゆる休眠顧客の掘り起こしにも最適です。
ぜひ実施して、データを取ってみてください。
5. サンプルの形状とデザインについて
最後に、サンプルの形状とデザインについて解説します。
当然ですが、サンプルは業種や商品によって異なります。
たとえば、食品が長持ちする保存袋が商品だとすると、その一部分、つまり1枚プレゼントする、という形になることもあるでしょう。
DIY用の壁紙の質感や、塗り壁の漆喰の乾いたあとの色見本などなら、小さなサンプルを作ることになるでしょう。
化粧品の場合はパウチやミニボトルが多いですが、本商品をそのままサンプルとして使う方法もあります。
本商品を購入して試してもらって、いわゆる「返金保証」をつける形です。
高級化粧品にパウチサンプルはないと思いませんか?
せめてミニボトルにするはずです。
このように、サンプルは商品によって最適な形があるということです。
「この商品なら、どんな形で、どれだけ購入につながり、どれだけコストが掛けられるのか?」
それらをよく検討してから作成してくださいね。
いつもの繰り返しですが、
「女性用だからパッケージデザインをかわいくしておけばいいか」はなし!ということです。
事例
ある化粧品会社さんのファンデーションのサンプルが、
よくあるパウチですでに出来上がっていたところへ、コンサルに入った経験があります。
その商品の特徴、よさは、ファンデーション自体の形状というか見た目のふんわりとした形状にあるというのに、
残念ながらパウチに入れてしまうと全くわからなくなり、よさが伝わりません。
しかしすでに何万と作ってしまったパウチサンプル。。。
そこで、同梱のリーフレットにその旨を正直にお伝えしておきました。
本商品ならこんな感じなんですよ、と詳細に伝わるように作り込みました。
サンプルを申し込むためのLPにももちろん記載しておきました。
すると予測をはるかに超え、驚くほど売れました。
クレームも一切ないどころか、非常に高い本商品への移行率をたたき出し、
お客さまはそのよき点について好意的な多くの口コミを上げてくださいました。
その口コミを見て、またどんどん売れていきます。
その後パウチを使い切った後、クライアントさんはサンプルの形も変更してくださり、
ますます売上げがアップした、という事例です。
まとめ
いつも同じことを言っている気がしますが、いちばん大切なところなので、、、最後にまとめます。
「ターゲットは誰か?」
「どうすれば、そのターゲットにこの商品の魅力が届くのだろうか?」
「どこで配布すればいちばん効果的だろう?」
この「考え方」が基本にあるということです。
何かわからない点がありましたら、いつでもこちらの無料相談からお問い合わせください。
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