「女性」とひとくくりにしない「女性マーケティング」で競合から抜きん出る3ステップ!

昔、勤めていた企業で依頼をしていた大手広告代理店の方々に
「マーケティングって何ですかね?」と投げかけてみたことがあります。

マーケティングを担当することになり、いろいろ勉強してみてはいるものの、
マーケティングの巨匠的な方々もマーケティングの定義はさまざまで、
自分の頭の中がどうもスッキリしない。
それをまずははっきりさせて、やるべきことを決定したかったからです。

しかしその時に、私がなるほど!と思える明確な答えを返してくださった方は
残念ながら一人もいませんでした。

忘れもしない、ひとりの方の
「マーケティングがなにかもわからないで、よくやってますね。」
と言って、肝心の「マーケティングとは?」には一切触れなかったこと!
こんなものです。笑

当時の私が知りたかった「マーケティングとは?」という問いに、
今、同じようにマーケティングに悩み、
どうしたら女性のお客さまが買ってくれるのだろうと
頭を抱えておられる担当者の方々に参考になればという想いから、
この記事を書くことにしました。

目次

女性マーケティングはあるのに男性マーケティングってないよね?

そうですね。
「女性マーケティング」といわれる言葉が使われるようになる以前の「マーケティング」は、
多くの市場で男性が主要の消費者とみなされていました。
男性がデフォルトで対象とされていたので、
わざわざ「男性マーケティング」とはいわれていなかったということでしょう。

時代は流れ、女性も仕事を持ち、自分で選択するようになり、
市場での主要な意思決定者としての役割を高めるにつれて(強くなって、ともいいます・笑)、
家や車などの高額なものでさえも購買決定権を持つようになりました。
そこで女性特有のニーズに焦点を当てた「女性マーケティング」が必要になったのでしょう。

私が起業した当時、2010年頃に「女性マーケティング」と謳っていた有名な企業さんは2社ほどありました。
1社はイベント(セミナー)に集客してくれる会社さんと、口コミに関する企業さんでした。
化粧品会社に勤めていた時に直接やりとりをさせていただいたこともありますが、
具体的なマーケティング手法を指南してくれるわけではなくて、
マーケティング施策の一部をご提供されていた、という感じです。

今は「女性マーケティング」と謳っている企業さんは何社もあるようですが、
そのくらい「女性マーケティング」とは、まだまだ歴史が浅いってことです。

「女性マーケティング」とは?

弊社も「女性マーケティング」の分類に入りますので、
私たちの考える「女性マーケティング」について、まずは定義してみたいと思います。

「女性マーケティング」とは、
『女性の多様なニーズ、関心、環境、価値観による感情の深い理解に基づいて、
商品やサービスを開発、提供、PRし、必要な人の手元に届け、使い続けていただく、
この全プロセスのこと』
ということになると思います。

お気づきでしょうか?
男性と比較して女性はこうだから、女性マーケティングはこうである、と一切いっていません。

上記の定義文から「女性」を外してみますよ。

「マーケティング」とは、
『多様なニーズ、関心、環境、価値観による感情の深い理解に基づいて、
商品やサービスを開発、提供、PRし、必要な人の手元に届け、使い続けていただく、
この全プロセスのこと』

ね。
まったく男性にも当てはまるでしょう?
同じなんですよ。
冒頭の「マーケティングとは?」の答えになっていますよね。

男性と女性の比較じゃない

たとえば、男性には機能性を伝え、女性は共感を伝えるとよいなどといわれますが、
果たしてそうでしょうか。

私は、女性向け商材であろうと機能性はおもいきり伝えます。
男性ターゲットのサプリメントやプロテイン、アミノ酸系ドリンクなどで、
共感を促すストーリー仕立てでも売上げ実績があります。

さきほどのたとえの逆をやっていますよね?
それでも伝わりますし、売れます。

女性だって機能について知りたいし、納得したい。
たとえば「何の成分が入っている、それも○%! で、○○mlで○○円、
それじゃこっちがいいな♬」ときちんと判断します。
女性をばかにしないでほしいとさえ思ってしまいます。

わかりやすい事例をあげましょうか。
発売以来、販売台数トップを走る軽自動車ホンダN-BOXはメイン対象を育児世代とし、
そのライフスタイルや価値観を徹底的に落とし込んだ機能性を持たせてあります。
室内の高さ、広さ、便利さ、元来の走りの安定性、安全性など、機能のかたまりです。
決して女性向けの「かわいい」を追求していないのは一目瞭然ですよね。
それでも売れ続けています。

今や「男性」「女性」の時代でもないし、それこそ女性性の高い男性も増加していますし、
以前の会社では女性マーケティングといいながら、商品は女性用でも、
男性のお客さまがたくさんおられましたよ、それも超ヘビーユーザー!笑

男性と比較するのではなく、ターゲット女性ひとりひとりの興味や感じ方の違いに着目し、
彼女たちがどう思うのか、どう考えるのかを導き出し、その感情に寄り添わなくては
「多様なニーズ、関心、環境、価値観による感情の深い理解に基づく」まで到達できない
、ってことです。

「女性」とひとくくりにしている段階では、深い理解を得ることはできないのです。

「女性」とひとくくりにしない「女性マーケティング」やってみますか?

あなたが女性に商品やサービスを販売していて、
「女性」とひとくくりにしない「女性マーケティング」をはじめるとしましょう。
さて、どこからはじめましょうか?

そうです。
まずはターゲットとなるお客さまの
「多様なニーズ、関心、価値観、環境による感情の深い理解に基づく」を導き出すため、
ターゲットを明らかにする必要がありますよね。

01 「ターゲットは誰?」 

すでにお客さまがいらっしゃる場合はその方々の属性を抽出してみてください。
年齢や未婚既婚など詳しい属性を聞いたことがない場合は、アンケートでお尋ねしてみましょう。
これらの詳細な属性は、感情を紐解くための重要な手掛かりとなります。

(アンケートのつくりかたがわかる参考記事はこちら「女性の気持ちを読み解くための「アンケート」担当者が知るべき深い洞察の掘り下げ方

たとえば幼いお子さんがいるおかあさんなら、
子どものものを優先的に選ぶことは想像に難くないでしょう。
フルタイムで働いていてご家族と同居されているなら、
金銭的には楽だけれど別の負担が生まれることもありますよね。
同居されているのがご自身の親御さんなのか、配偶者の親御さんなのかによっても、
商品やサービスを購入する際に、売り手側の配慮が必要になることも理解できると思います。

このようにお客さまがどのような方々なのかを理解した上で、
商品やサービスのどんなところに魅力を感じられたのか、
どんな部分が購入のポイントになるのか、どのようなアプローチに好感を持つのか
などをどんどん深堀りし導き出していくと、タイプと考え方の傾向も見えてきます。

このとき注意してほしいポイントが2点あります。

ポイント1 マイナス意見も積極的に聞く

一度は購入してくださったのに今は離脱されている方々にも、
何が足らなかったのかを是非お尋ねしてほしいです。

クライアントさんのお客さまへのインタビューに立ち合うことになり、
「いいこと言ってくださってよかったね!」で終わっている現場を何度目撃してしまったことか。。

だって、それ、
「好きで買っているお客さんにしか聞いてないですよね?そりゃいいことしか出てこないですよね」
ここに気づいてください。

一時的には痛みを感じるかもしれませんが、
冷静に客観的に受け止めることが、より正確な結果を生みます。
是非、離脱してしまった方々のマイナス意見もお聞きになってみてください。

ポイント2 数字だけを過信し追い過ぎない

これもとても重要なポイントです。
調査やデータとなると数字ばかりを追って、数字だけで判断しようとする方がいらっしゃいますが、
ここでも答えた方々の気持ち、感情に思いを馳せてみてほしいのです。

アンケート対象者の方が「この商品使ってみたいですか?買ってみたいですか?」と聞かれて
「買いたいです!」と答えていても、100%鵜呑みにしてはいけないってことです。

ほしいと答えられたから作ったのに売れなかったマックのサラダの事例はあまりにも有名ですよね。
「買いたい」が90%超えだった新商品が実際売ったら全然売れなくてすぐに棚落ち、
なんて事例はどことはいえないけれど、実際クライアントさんで起こっています。
(私に聞いてくれればと思いますが、大きな企業にありがちな担当部署の違いでこんなことが起こります)

「世帯収入の金額」なんて本当のこと言っていないですよ。
「1か月に掛けられる化粧品代」だって、そんなの明確に把握してる人がどれだけいるか、って話です。
それにどうしても欲しければ、その金額を超えていようが意地でも買います!笑

質問の内容、尋ね方が如何に重要かということもおわかりかと思います。
数字だけを過信し追い過ぎないこと、忘れないでくださいね。

02 「市場調査」

これらの既存顧客の分析と同時に、市場調査を行う必要があります。
競合を含め、市場の現状から探ります。

自社商品やサービスの客観的現在地、強みや弱み、差別化のポイント、
もう少し何かを加えたり変更したりすればできることはないか、
トレンドの移り変わりに問題なく対応できているかなどに視座を拡げ、
全体を客観的に把握するようにします。

そのために私はひとつの商品を売るとなると、
競合になる商品を何十種類と購入し、実際に必ず試します。

実際に試すことがないと、強みも弱みも差別化のポイントも、
訴求するべきポイントも一切わからないからです。
だけどやってらっしゃる方が少ないのに驚きます。

競合となるだろう商品を実際に見て、試して、確かめて、
どんなお客さまが買っていらして、どこが受け入れられているのか、
徹底的に調べる、というか、感じる、に近いかもしれません。

店舗ビジネスの場合は実際にお店に足を運んでください。
物販の卸の場合も同じです。
他社商品と自社商品を両方手にしたまま、悩んでいる女性をみつけたら、
もうこんなチャンスはありません!笑

机上でコンセプトをこねくり回しても最適化は絶対できないです。

03 「施策に落とし込む」

この既存顧客と市場調査の分析結果から、
ターゲット像がさらに明確になってきたでしょう。
ここで、この方々の
「多様なニーズ、関心、環境、価値観による感情」を深く理解ができていればOKです。
これらのデータと、データから生まれた仮説を、
商品やサービスの開発、改良、集客イベントや広告、販促物、コミュニティやメールの内容、サイトやSNSの表現などなど
あらゆる施策に一貫性をもって落とし込んでいきます。

たとえば、そうですね、
購入行動の決め手となる事柄をコピーライティングに落とし込むことは簡単にできますね。
そのお客さんが使っているSNSや好きなサイトも明確になっているはずだし、
次にほしい商品もほら、見えてきてるはずですよ。

こうやって、必要な場面で「ターゲットの彼女ならどう感じるだろう?」を常に頭に置きながら、
施策や戦略に落とし込むのです。

ターゲット像は時に複数に分かれることもありますが、それでOKです。
それぞれの考え方や感じ方さえ理解できていれば、それぞれに対応すればいいだけの話です。
もちろん労力は増えますが、売上げも増えます。

一挙に進めるのが困難な場合、同時に進めるとお客さまが混乱してしまう場合などは
メインターゲット、サブターゲットと優先順位を決めておきましょう。

「販売はこれからでお客さまはまだいない」という場合

これから商品やサービスを販売する、という方の場合は、
販売しようとしている商品やサービスを買ってくれるだろう、
買ってもらうときっと喜んでもらえる、
こういう人に買ってもらいたい!
そんな方々をあげてみることから始めてください。
そういうイメージの方に聞いてみるという作戦ですね。

「ペルソナをつくるってことですか?」(※ペルソナ=ターゲットをより詳細に、ある1人を想定したユーザー像のこと)

いえ、ペルソナはつくってもつくらなくてもどちらでもかまわないと思っています。
そもそもぺルソナをつくる目的は、ターゲットとなる方の
「多様なニーズ、関心、環境、価値観による感情」を紐解き、理解するためです。
つくらなくてもできるなら、わざわざ形だけつくる必要はありません。
形だけつくっても、感情の深い理解に到達できないならば、全く意味がないですから。

つくったほうが想像しやすい、という方はぜひつくっていただければいいのです。

そして、あげてみたイメージの方々をリクルーティングし、同じように話を聞いてみる。
今はネット上で条件を抽出してアンケートを取ることも簡単にできる時代なので、
そこからスタートしてみるといいと思います。
仮説を立てて調査し、その仮説が合っているかさらに調査を進めていく感じです。

まとめ

01 「ターゲットは誰?」 
02 「市場調査」
03 「施策に落とし込む」

まずは、この3ステップを頭に叩き込みましょう。

今までもマーケティングはやっています、この01~03だって、やっていますよ、という方、必ずいらっしゃると思うんですね。
でも、そのマーケティングが、ターゲット女性の「多様なニーズ、関心、環境、価値観による感情」を深く理解した上で取り組んだかどうか、
今一度、確認してみていただきたいのです。

とことん理解した上で発想、実行した施策なら、
売上げも変わっているだろうし、お客さまも変化しているだろうし、
さらには社内の雰囲気すら変わってきているはずです。

そして、それはお客さまである女性たちのためになっているはずで、
そのお客さまから見れば、あなたの会社や商品は、もはや競合とは違ってみえています!

今までのマーケティングは当然やっているけど、伸び悩んでいる企業さん、
ブランディングにお金をかけたのに成功しなかったブランドさん、
ターゲットが誰なのかもわからず売り始めてしまった企業さん、
せっかくのキャンペーンがなぜかこけてしまう会社さん、
計画どおりに売上げが延びていなくて不安な担当者さん、
みんなみんな、ほんの少しどこかがズレてしまっただけなのです。

「女性」とひとくくりにしない「女性マーケティング」、
ぜひ一度チャレンジしてみてください。
必ず変わります、変化します。

応援していますね!

ご質問がありましたらこちらからいつでもどうぞ!

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